第321回『万物は一体:最新科学が描く世界と一致する仏教の悟りの境地』(2017年3月26日 東京 63min)
(2017年3月27日)
1.人が日常の五感と常識で感じる世界は、世界の実際の在り方と異なる。
五感や思考は世界を正しく見ることを妨げ、特に、実際は一体である
様々な事物がバラバラだと錯覚させる。
2.最新科学が描く世界は、宇宙の万物は密接不可分であり(全一論)、大乗仏教の思想と酷似している。
1.分子生物学は、自分の体だけを構成する分子などはなく、自分の体を
の分子は全て、他者と交換・分かち合っている事実を発見した。
2.量子力学では、微細な粒子=量子は、何処かに局在はせず、波のように
広がっており、波である光にも粒子の性質があるとする。
3.仏道修行とその禅定は、世界をありのままに感じる智慧=悟りを与える。
禅定とは瞑想による心の安定と集中であり、それが智慧をもたらす。
4.未来社会では人類の最大の関心は悟りの達成となる
1.人に代わって、人工知能が仕事を行い、人の間の競争は無意味となる
仮想現実の技術は、我欲を自在に充足する体験を与え、それに飽きる
2.その中で、心のない人工知能が得られず、人に与えられない幸福は、
心の幸福・悟りの幸福・慈悲の幸福である
5.日常生活の苦しみを和らげる仏教的な智慧
1.苦しみの原因は、貪り・怒り・無智の三つの根本煩悩
2.欲張り過ぎ、嫌がり過ぎ、自分自身に関する無智に気づくと苦が消える
3.気づくには、一定の集中した内省が必要であり、環境条件を整えること