第378回『身体心理学:体の使い方で心をコントロールする方法』(8月13日夏期セミナー講義 第4回 83min)
(2018年8月15日)
この講義は、ひかりの輪の夏期セミナーの上祐代表の講義であり、そのセミナー用の特別教本の参考資料「身体心理学」を解説したものである。
1.身体心理学とは何か
体の動き(例えば体の使い方)と心の関係の解明に取り組尾む心理学。
それによって、体の使い方の工夫によって、心を良い状態に持っていくことを目指す。
2.心・脳は、体の動きから生じたもの
脳は、生命体の進化の後半に生まれたもの、体の動きの経験の蓄積から生まれた器官である。
体の動きが異なると、脳の働きが変わる。例えば、手を動かしてよい場合と、動かすことを禁じられた場合で、物事思い出す能力が変わってくる
3.身体心理学が扱う体の動き
呼吸、筋肉の状態、表情、発声、姿勢反応、歩行反応などと、心の状態の関係を調べる。
4.呼吸反応
ストレスがあると、呼吸の時間が短くなる、息を吐いた後に、息を吸うまでの間が短くなる。
腹式呼吸で長く息を吐くと、血圧・心拍数・ストレスが改善
息を長く吐くと、落ち着く、くつろぐ、怒りや焦りが和らぐ
5.筋反応
筋肉が弛緩すると、不安、ストレスが減り、リラックスし、心拍数が低下し、コルチゾールというストレスの指標が低下、免疫グロブリンが増大(免疫力が強化)
6.表情
笑顔の表情を作ると、心地よい感情が起きやすい。
表情を禁止すると感情も抑制される。
7.発声
「ウン」音を発すると、温かい、ゆったりした気分に。「ウ~ン」は落ち着いた気分。
「アー」は開放的な気分
8.姿勢
顔が下向き、背骨を曲げると、ネガティブな気分に。うつむきの姿勢をとると、うつ気分になりやすく、うつむき姿勢で音楽を聴くと、ネガティブな感じに聞こえる
うつむき姿勢は、前頭葉が活性しにくい=知的作業が低下する。
9.歩行
短い歩幅で歩くと、地味で、自信がなく、抑圧された気分に
歩幅が長くなるほど、派手で、自信があり、開放された、外向的な気分に