第401回『現代人の幸福のための仏教の中道と唯識の思想』(2019年3月24日福岡 64in)
(2019年3月25日)
1.釈迦の説いた中道の幸福の思想
(1)健やかに生きるために必要以上の欲求(煩悩)を満たそうとしても逆に不幸になる。
(2)社会福祉で物質的なニーズが満たされた現代社会では、お金が増えても、人の幸福感は増大せず、前世紀より自殺者が増え、緩やかな自殺とされる孤独死が問題となり、15%の人が他者との交際がなく、10~15%が鬱を経験し、鬱病患者は500万人に上ると推計され、様々な心の病の割合が増えている。
(3)煩悩の追求は、求めても得られない、得たものを失う、奪い合うなどの四苦八苦を招く。
恵まれた者の苦しみ・重たさと、恵まれていない者の幸福・軽さがあり、苦楽は 表裏の真理がある。
(4)真の幸福の道は、それ以上の欲求を放棄し、他と苦楽を分かち合う慈悲の実践である。
2.大乗仏教が説く唯識の思想
(1)人が体験している現実とは、自分の思考・価値観で解釈したものである。
同じ時・同じ場所で同じ事を体験しても、人によって苦楽・快不快の印象が異なる
目の前にあると感じる外界とは、実際には目の奥の脳内の情報の体験であり、
この点は、昼の現実の体験も、夜の夢の体験も変わりはない。
(2)心の持ち方で、同じ事が苦にも楽になり、天国も地獄も心が生み出す。
エゴが強いと、この世界は生き地獄に、清らかな心には(生き)天国になる。
心の浄化が、真の幸福のための決め手となる
(3)質疑応答多数
1.美人の友人に対する嫉妬で悩んでいる。
2.ノーと言えない気の弱い性格をどうにかしたい。
3.友達と自分を比べて落ち込んでしまう。
4.損得勘定で人との付き合いを決めてしまう。
5.人に頭を下げるのが苦手である。
6.仏教思想は、現状を受容させる面があるが、現状を改善するには?
7.何度も法事・法要・追善供養をする必要はあるのか?
8.その他