2017年2月
第319回『2020年から新しい思想の時代に突入か!?』(2017年2月26日 東京 67min) (2017年2月26日)
1.2017年を転機とする新たな精神的な潮流
2017年は、30年前にオウム真理教・幸福の科学が設立され、その後、1989年に昭和が終わり(昭和天皇崩御)、昭和を象徴した美空ひばり・松下幸之助が他界、ベルリンの壁が崩壊し、共産主義が終わり、世界全体が市場原理主義・グローバル経済の資本主義の拡大・進化に向かう中で、1990年代は、イスラム原理主義、キリスト教保守主義など、世界各地で宗教が復活し、日本にも新新宗教ブームが起こった。
その30年後の今2017年、オウム裁判が終結=麻原の死刑執行が見込まれ、まもなく平成も終わり(今上天皇の退位の見通し)、トランプ政権・英国のEU離脱・欧州の極右政権で、グローバル資本主義が終焉を迎えて、資本主義の行き詰まり=ポスト資本主義の時代と言われる。
こうして、2020年代に、新たな思想・宗教などの精神的な潮流が始まることが予想されるが、それ一体どんなものか。
2.30年単位の周期の近代日本の強力な思想のうねり
近代日本を見ると、数十年一回、強力な思想・宗教の台頭する。1990年代のオウム真理教などの新新宗教ブームと95年のオウム事件、1960年代の共産主義の学生運動と1972年の浅間山荘事件、1930年代の国家神道に基づく大日本帝国の大陸進出と1941年の太平洋戦争、1900年前後の日清戦争(1894年)・日露戦争(1904年)=神国日本信仰の始まり、1970前後の明治維新(1868年)など。
それは、政治・経済の思想の形をとったり、宗教的運動の形をとるが、極端に偏った暴走の面もあった。2020年以降は、過去の失敗の教訓を生かし、実りのある新たな思想の台頭が期待される。そのためには歴史から学ぶこと、歴史から学ばぬ者は歴史を繰り返し、感染症は、ワクチンの普及がなければ、抗体を持たない若い世代が周期的に感染する。
3.各宗教の未来観=人類は生き残れるのか
ゾロアスター教を源流として、ユダヤ・キリスト・イスラム教には最後の審判の思想がある。最終戦争が悪が滅び、世界が滅び、人々が裁かれ、天国ないし地獄の別れる。キリスト教は、イエスに加え、ヨハネの黙示録が説く、ハルマゲドンの地で始まる最終戦争、キリストの再臨、千年王国の話が有名であり、イスラム教では、マホメットの言行録の中に、ダービクという地で始まる背教徒と聖徒の最終戦争が、イスラム国によって使われている(イスラム国の機関誌の名前がダービク)。
仏教などのインドの思想は、人類社会が直線的に終わり向かう思想はなく、改善と悪化の循環をするという思想。仏教では、今後は、遠い将来だが、人間の寿命が8万歳になり、釈迦に次ぐ如来である弥勒が現れ、およそ全人類の人口だと思われる二百数十億もの人々が、四向四果と言われる4段階の悟りの境地に至るという明るい未来を説く。神道は特に未来予言はなく、国家神道の大日本帝国の時代は、仏教の法華経の予言(日蓮主義・法華経主義)を使って、神国日本こそが世界を統治するという思想が流行した。
占星学の神秘思想では、数世紀後(24世紀・25世紀)に、平等で知的で科学的な新しい理想の時代「水がめ座」の時代が来るとされるが(今現在は「魚座」の時代)、水がめは、弥勒菩薩を象徴する法具でもあることは、興味深い偶然の一致である。
第318回『苦の解消と善悪の思想:いったい何が善で何が悪なのか』(2017年2月19日福岡 95min) (2017年2月20日)
1)苦の解消の三つの思想
苦しみを解消する三つの主な思想1.知識・技術:現代主流の苦の解消法だが、知識・情報が氾濫・過剰となり、
軍事・原発など、科学技術は、もろ刃の剣の性質があるといった問題がある2.神への信仰:中世までヨーロッパを支配したキリスト教の思想
苦の原因と神との契約の違反=罪とし、悔い改めて神(の子)との再契約を説く
3.智慧:仏陀の説いた苦を滅する手段:物事が正しく見る力
安定し集中した心の状態(禅定)が物事をありのままに認識する力=智慧を生む2)善悪の哲学:何が善で何が悪なのか
1.善悪の価値観は、時代・地域・民族・人により様々である
2.現代社会の善悪は、人間社会の都合、特に国家・民族の範囲で決まる
世界政府は未だなく、先進国が途上国を搾取しても合法的な経済活動
地球の中の人間の存在は善なのかは論じられることは乏しい3.キリスト教の善悪
絶対善の絶対神が与えた戒律は絶対善であり、それに反することは悪4.仏教の善悪
1.縁起の思想では善悪は条件で決まり、唯一絶対の固定的な善悪は存在しない
2.上記の禅定・智慧・慈悲を得ることが善行であり、遠のくことが悪行である3)清水冨美加さんの出家に関して
幸福の科学の出家は、伝統仏教の出家ではなく、教団職員になる転職に近い。
今回、後回しにしたことは、必ず未来に払うことになるのでは
第317回『苦しみを取り除く三つの哲学:知識と技術、神への信仰、そして智慧』(2017年2月12日 大阪 54min) (2017年2月13日)
1)苦しみを解消する人類の三つの思想哲学とは1.現代主流:知識・技術
1.苦の原因は、知識・技術の不足
2.苦の解消法は、知識・技術の獲得・開発
学校が教えるのも知識・技術が中心。しかし、刃の剣(軍事技術など)で、最近は知識・情報過多が悩みにも。2.キリスト教:絶対神への信仰
1.苦の原因は、罪=神との契約の違反(その根本が原罪)
2.苦の解消法は、悔い改め、神と再契約し、神を信じること
ここ数世紀の自然科学・産業革命で以前より下火になった面も3.釈迦の思想:智慧(物事を正しく見る力)
1.苦の原因は、無智(物事が正しく見えない)による煩悩
2.苦の解消法は、智慧(物事を正しくみる力)であり、
智慧は、禅定(瞑想による心の安定・集中)がもたらす知性4.智慧を体得する仏教の修行法の変遷・改善
1.初期仏教:八正道・七科三十七道品。要点は、戒律・禅定・智慧
日常の行動を正し、瞑想による心の安定による智慧を得る2.大乗仏教:俗世の中で煩悩に穢れず他の救う菩薩になる道
六波羅蜜=六つの完成:布施・持戒・忍耐・精進・禅定・智慧3.心の安定・集中を得る瞑想法の四つのタイプ
1.呼吸等に集中する瞑想:出入息に集中・数息観
2.正しい思考の瞑想:四念処・四無量心
3.聖なる象徴の集中:真言・曼荼羅・仏像
4.気をコントロールする瞑想:究境次第・クンダリニーヨーガ