第419回『仏教は心理学!仏教思想と最新人心理学③』(2019年8月18日 大阪 120 min)
(2019年9月20日)
2019年8月18日に、ひかりの輪の大阪教室の夏期セミナーにおける上祐代表の第2回目の講義。初期仏教やヨーガの思想実践は、宗教というよりも、瞑想等を手段とした心の分析と制御の術であり、その意味で心理学だと考えられる。そして、その思想は、ここ数十年で目覚ましく発達した最新の認知心理学の見解とよく一致している。
最新の認知心理学は、人が、自分の知覚・感情・意志と考えているものが、実は、自分(自分の意識)が制御したものではなく、無意識の脳活動と、それが影響を受ける環境によって形成されたもので、その意味で、自分の中の(自分のすぐ近くの)「もう一人の他人」のものであるという驚くべき事実に到達している。人々はたがいに独立しておらず、混然一体となって、お互いに影響を与えながら存在しているという新たな人間観・社会観であり、個々人が独立して自由意志で生きているという従来の個人主義的な人間観は、もはや非科学的とされつつある。
それは、ブッダ・仏教が、2500年前から説いてきた、縁起の法(万物相互依存)、無我の法(本当の意味で私・私のものなど存在しない、他から独立した私や私のものなど存在しない)という思想そのものである。8月11日・12日の東京と同じテーマの講義の続編。