第248回『苦楽表裏・心の器・スピリチュアルエゴ・苦は無常』(2015年8月2日 福岡 74min)
(2015年8月 3日)
1.仏教と感情の波
仏教では苦楽はセットであり、煩悩的な楽も喜びというよりも、その裏側に苦しみを伴う、一時的な興奮である。
苦しみを伴なわない、安定した広がりのある暖かい心(慈悲の幸福)を得る地道な努力を仏教は求める。
2.心の器と広げるには
怒りの対象については、ずるいという気持ちが隠れている。それは、その対象も自分も、似たものにとらわれているからである。
それがなければ、悲しみ・哀れみが生じる。これに気づいて反面教師と見て感謝する。ひかりの輪では、自他を区別しない万物一体の読経瞑想を行っている。
3.集団的自衛権をどう考えるか
ブッダの教えは自他を平等に愛するものであり、自分が他から奪うことは許さないが、他が自分から奪うことを受け入れるものではなく、その意味で(集団的な)自衛権を行使することは否定しない。問題は正しく行使できるか。
4、スピリチュアルエゴについて
霊的修行によって気が浄化されると、人ごみの中で疲れを感じることもあるが、そこで他を嫌悪するのはスピリチュアルエゴとなる。
大乗仏教の考え方では、他に対する慈悲を持つことで、悪い気・エネルギーを浄化・昇華できる。
5.どんな苦も無常であるとの教え
苦しみは無限に続かない。長年の労苦も、一日単位で見れば、休める時もある。
さらに、苦の裏には楽があると考える。こうして苦を過大視しないことだ。
人生はマラソンで、焦らずたゆまず毎日こつこつ努力を重ねることが重要である。