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上祐史浩・一般向け講義【2016】

第304回『苦しみに強くなるには?初期仏教の苦の思想の智慧』(2016年10月29日 東京 59min)
(2016年10月31日)

1.初期仏教が説く全ての苦しみの原因

普通の人は、苦しみを喜びと錯覚している。同様に、借りものを自分のものだと、続かないものをずっと続くものだと錯覚している。この錯覚・無智を取り除くことが大切。

2.五感と思考が私たちを欺く

私たちが信じて疑わない、五感と言葉による思考が、実は私たちを欺いている(人の世界の感じ方と実際の世界の在り方が異なる)。これが、様々な欲望、人の間の不要な争いの原因にもなっている。五感と思考を妄信せず、それを超越する瞑想などの修行によって、悟りの境地(涅槃・ニルヴァーナ)に目覚める。そのための道は八正道と言われ、簡単に言えば、正しいものの見方を学び、日常の行動を浄化し、瞑想を行う。

3.苦しみに強くなる思想・考え方

苦しみの裏には様々な喜びがあることに気づくことが大切。それは努力・悟り・慈悲の源となる。慈悲の化身と言われる観音菩薩は、苦しみの連続の人生を歩んだ人から生まれた。

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