第345回『心のコントロールの重要性とヨーガと仏教の行法・瞑想法』(2017年10月15日大阪 46min)
(2017年10月17日)
1.心のコントロールの重要性
心をコントロールし、過剰な欲望・とらわれを減少させ、心の安定と集中力を高めることは、悟りと、世俗における重要な物事の達成(自己実現など)の要である。
2.心のコントロールと悟り
なお、ヨーガ・仏教の禅定は、瞑想による心の安定と集中という意味であり、それが、物事を正しく観る智慧と、智慧と一体の慈悲、悟りをもたらす。禅定⇔智慧・慈悲。
3.心のトントロールと物事の達成・自己実現の関係
過剰なとらわれは障害となり、それをコントロールすることが重要である。
1.欲求・とらわれが強すぎて、望んでいる結果ばかりが気になると、
不安その他で心が不安定になり、結果を得る手段に集中できない。
更に、
1.失敗への過剰な恐れる余り、努力をやめ逃げたり(引きこもり)、
2.過剰な自己愛を背景に、失敗・不満を他人に責任転嫁したり(被害妄想)、
3.不正手段を使っても結果を得ようする(奪い合い)
などして、人間関係を含めて、達成の道を逆に損なう。
2.心が不安定な時は、物事が正しく見れず、目的を達成の道が分からない。
1.苦しい時は、苦しみを過大視し、悲観的になる。
2.喜びに興奮している時は、喜びを過大視し、油断しやすい。
よって、心の安定=平静は重要。
3.心が不安定だと、ストレスなどが強まり、長期的には心身の健康を損ない、
それが、継続的な努力を妨げる。心と体は深く関係。
よって、安定した心で、物事を正しく判断し、健康と良い人間関係を保つことが、
物事の達成の道。心と頭と体と人間関係の良い状態は、心理学の理論においても、
人が幸福になる資源(リソース)とされる。
4.心のコントロールのための古今東西の叡智
仏教・ヨーガ・諸宗教・心理学を検討し、心の制御の智慧をまとめると、
心と深く関係する、思考、行動、身体、環境の四つを浄化することが重要である。
1.思考:考え方・物の見方・価値観・世界観
心が安定する考え方を学ぶ=「教学」
物の考え方・見方(認知)は感情と一体不可分
2.行動:日々の行動:
心が安定する行動を実践する。そのような行動が善行・功徳・戒律の実践である。
行動の仕方で、心・感情は変化する。
3.身体:体の状態、特に気の流れ
気の流れを整える作業=ヨーガ・気功などの「(身体)行法」
気の流れと、気持ち=心は深く関係する。更に気は、体=病気にも関係
4.環境:心が安定する「環境」を整える=「聖なる環境・聖地」
内気と外気は深く関係。良い外気・五感の刺激がある環境に身を置く。
5.ヨーガの心のコントロールの行法
ヨーガの伝統的な修行は、戒律を土台とし、
アーサナ(体操)・プラーナーヤーマ(呼吸法)を経て瞑想に入る。
アーサナ・プラーナーヤーマは瞑想の準備であり、瞑想でもある。
1.アーサナ:正確な訳は、座法・体位法。ヨーガのポーズとも。
単なる体操・体のほぐしだけでなく、姿勢・呼吸法も含む実践。
姿勢と心は深い関係がある。
2.プラーナーヤーマ:正確な訳は調気法(調息法とも)
プラーナーヤーマは、呼吸の操作で、
1.息の仕方と関係する心をコントロールする意味(調息法)に加え、
2.体内の気をコントロールする(気の強化と気の道を浄化=調気法)
という意味合いがある。
エネルギー・集中力の改善と、心の安定(煩悩が減少)をもたらす。
3.気を浄化・強化し、心を静め、集中力を高める5つの呼吸法
1.基本呼吸法
2.左右の気道を浄化する呼吸法
3.両気道の浄化と集中力を高める呼吸法
4.気道を強力に浄化する呼吸法
5.心を静める波動の呼吸法
6.仏教の4種の瞑想法の解説・実習
心を静めて広くし、智慧と慈悲の心に導く瞑想法
1.初期仏教の智慧の瞑想:四法印・四念処
2.慈悲の瞑想:四無量心・平等心
3.大乗仏教の象徴物(シンボル)の瞑想
4.ひかりの輪のオリジナル瞑想:輪の読経瞑想