2018年2月
第359回『仏陀の悟り=気づきの幸福の思想』(2018年2月25日 東京 59min) (2018年2月27日)
1.仏陀=目覚めた人の悟りとは
(1)今ここの膨大な恵みに気づき、苦の裏の恵みにも気づくこと
(2)仏陀の目覚め=智慧(智恵)とは「心の視野の拡大」
物事を「正しく」見る智慧とは、物事の「全体」を見ること
今現在だけでなく過去と未来を、自分だけでなく多くの他者を見る(3)心の視野・意識の拡大は、感謝、謙虚、愛・慈悲をもたらす
①今ここに既に膨大な恵みを受けていることに気づく 貪りの解消
②苦しみの裏にも貴重な尊い恵みがあることに気づく 怒りの解消
③一体な世界の万物こそが恵みであることに気づく 無智の解消
(4)感謝は心の安定をもたらし、苦しみの解消に役立つ
真の苦しみの解消とは、苦しみではないことに気づくこと①それは無くても構わないことに気づく。欲張り過ぎの解消
それほど良いものではなく、悪い面もある →貪りの解消
②それがあっても構わない事に気づく。嫌がり過ぎの解消
それほど悪いものではなく、良い面もある →怒りの解消
③苦しみを解消するためになすべきことに気づく 怠け過ぎの解消
本当はなすべきだと思っていたことに改めて気づく →無智の解消(5)智慧=意識の拡大と心の安定の好循環
智慧=意識の拡大をなせば、感謝(慈悲)が深まり、苦しみが解消し、
苦しみが解消して、心が安定すると、更に智慧が深まる(6)日常にできる智慧・意識の拡大・感謝・慈悲の瞑想
①食事の際の感謝・恩返しの瞑想:無我と慈悲の精神を培う
②毎日の朝と夜の訓練:朝の決意と夜の反省が高い効果(心理学)(7)感謝(の瞑想)がもたらす人生の幸福:心・知性・健康・人間関係の改善
①心の安定及び、それに伴う知性(智慧)の向上
②心身の健康:感謝は、ストレスの低減・鎮痛鎮静の効果があり、免疫力を高める
③良い人間関係:感謝は、謙虚・恩返し・利他・忍耐力を強め、人間関係を改善する
第358回『心のコントロール:否定的な感情への対処法』(2018年2月18日 福岡 66min) (2018年2月18日)
不満・怒り・不安・落ち込みなどの否定的な感情への対処法への講義である。
1.気分転換:環境と体の使い方を変える
(1)環境を変える
①屋外・自然へ、良い気の場所、視界が広がる場所
②室内ならば、部屋の整理整頓、換気、穏やかな音楽
心が静まるシンボル・ツール=仏画・瞑想香・聖音など(2)行動を変える
①適度な運動をする:散歩・体操・有酸素運動 → ヨーガの体位法(アーサナ)
②姿勢を整える:背筋を伸ばして肩の力は抜く → ヨーガの座法(アーサナ)
③呼吸を整える(腹式呼吸で深くゆったりと)
吐く方も重視=緊張が抜ける、上級編は保息も → ヨーガの呼吸法(プラーナーヤーマ)
(3)気分転換の本質は、「気」のコントール
「気」=体の中の目に見えないエネルギーの流れ2.意識・心の視野の拡大=仏教の智慧の修行
(1)意識・心の視野が狭くなると、心が不安定になる
人は「今の自分」に意識が制限されやすい=エゴ・自我執着(2)仏陀の悟り・智慧は、意識の拡大に関係する
①仏陀の悟りの境地(涅槃):煩悩が静まった寂静・平安の境地
②仏陀の大慈悲=全ての生き物に対する広大無辺な慈悲の心
③仏陀=目覚めた人、智慧を得た者→全時空間に意識が拡大している
目覚め・智慧とは、意識(心の視野)の拡大、全体を見る力3.意識が拡大すると気付く(無量の)幸福
(1)自分の得ている膨大な恵みに気付く
無数の生き物の中で人間に、日本人に、法縁がある者に生まれた
地球の生命・人類の歴史の中で最も恵まれた時代21世紀(2)苦しみの裏にも幸福があることに気づく
苦しみは、際限ない貪りと戒め、慈悲の心に導く(3)世界全体がそのままに恩恵だと気づく
誰のものかとは関係なく(自他の区別を越えて)第357回『意識・視野の拡大こそ幸福の鍵・仏陀の智恵:第2回』(2018年2月4日大阪 64min) (2018年2月 4日)
仏陀=目覚めた人・智恵者の本質は、現代的に表現すれば、意識・視野の拡大であり、意識・視野の拡大が、大きな幸福に気づき、苦を解消する重要な鍵と講なる講義の第2回目。前回とは異なる視点、たとえ、エピソードで、一層明解・鮮明に語る仏陀の奥儀。
1.視野の拡大こそが、仏陀の智恵と慈悲、真の幸福に近づく道
(1)普通の意識・視野は、今の自分にあまりに限定されている。
これが、仏教が説く、全ての煩悩と苦しみの根源である「無智」の状態。
無智とは「今の自分さえ良ければ」、「自分が早く楽に幸福になりたい」といった心の状態。(2)仏陀の意識・視野は、世界の全空間と時間に広がっている。
世界の全体・全ての生き物と、現在・過去・未来の全時間を意識する広大な意識
2.視野の拡大は、自他の区別を和らげ、過剰な欲望と苦しみを静める
(1)視野が拡大すると、全ては無常の認識が強まり、過剰な欲望が減る未来を考えれば、自分も老い・病・死ぬから、体もお金や名誉も、全ては最後には失う=天に(地球に)お返しする、借り物であり、本当の意味で、自分のものなどはない(無我)
(2)視野が拡大すると、自他の区別が弱まり、自他の繋がり・万物への愛が強まる。
私の体も、少し前は他の生き物の体で、自分が死ねば、他の生き物の体になる。
ごちそうも、少し前は他の生き物の体→だから「いただきます」と感謝する・他者が死んで自分に、自分が死んで他者になり、生と死は絶えずセットで巡る
本当の自分とは、一体である宇宙の一部であり、宇宙全体に広がっているもの。
3.仏陀は、万物を恩恵・恩人を見て、万物に感謝する心の状態(1)視野を拡大すると、自分が大変な幸運・恵みを受けていると気づく
①衣食住の保障がなく、天敵を持ち、思考し進歩することができない無数の生き物
②21世紀は人類史上最も恵まれた時代、日本は安全・長寿・富の三拍子そろった国
③更に、精神的な幸福に目覚めるための「法縁」がある。(2)人として生まれるだけでなく、法縁を得ることは極めて貴重
人は、生まれても、法縁がなければ、気づく幸福、感謝の幸福に目覚めない
人は、場合によっては、動物以上の悪いこと(生存には不要な戦争)をする。