2015年8月
第250回~253回夏期セミナー特別教本『仏教の心理学 心の三毒、智慧と慈悲』の解説講話と心理学講義 (2015年8月20日)
2015年の夏期セミナーにて行われた、上祐史浩の講話第1回、3回、5回の解説講話と、山口指導員と上祐代表による心理学講義の講話動画となります。
◆第1回(8月11日 96min)
第1章 仏教の心理学の精髄:心の三毒と、智慧と慈悲についての解説です。
すべての人が持っている心の苦しみについてを、いろんな角度から講話しています。
1.心の三毒とは、2.無智とは何か、3.伝統仏教の無智の説明などとなります。
◆第3回(8月12日 86min)
第2章 自と他に対する嫌悪を超える智慧についての解説です。
1.心理学者アドラー
2.劣等感、劣等コンプレックス、優越コンプレックスについて、詳細に解説しています。◆第5回(8月14日 108min)
第3章 現代社会の心の闇を解く:無差別殺人の心理学についての解説です。
現代社会の全体の社会に広がっている心理的傾向が、異常な殺人、自殺に投影されているんだという考え方で、
犯罪の当事者のみに関係することではなく、全体の問題としてみてみようという趣旨で解説していきます。
◆心理学講義(8月13日 69min)
山口指導員と上祐代表による、心理学講義「ポジティブ心理学」についての解説です。
ポジティブ心理学は、1998年、アメリカ心理学会会長であったペンシルベニア大学心理学部教授のマーティン・E・P・セリグマン博士によって創設された。
心理学の枠組みとしては最新の心理学です。第249回『仏教の心理学 心の三毒と知恵と慈悲について』(2015年8月9日 大阪 101min) (2015年8月10日)
第2章「自と他に対する嫌悪を超える智慧」の解説
仏教は信仰というより深い心の分析に基づき、悟ることを求めた悟りの哲学で、心理学が含まれているといえる。
西洋と東洋の心理学の違いは、西洋の心理学は表面的な部分で心理療法が中心だが、仏教の心理学は、すべての人々の苦しみから、悟りにいたることをめざすより根本的な心理学。
仏教では無智からすべての苦しみは生じているとする。
無智とは自分さえよければいい、すぐに楽に幸福に、という気持ち。
無智から貪りと怒りが生じる。これが心の三毒である。●コンプレックスを脱却するにはどうしたらいいのか。
人は無智という根本煩悩のために、目先の楽に引き付けられやすいが、その裏には様々な苦しみをもたらすことを十分理解してない。
しかし、頭でわかってもなかなか離脱できないため、それには地道な努力が必要。
無智から劣等感が生じるが、劣等感があるとき、卑屈にならずに、克服する努力をしたり、他を活かして幸福になることや、やさしさを培うことで乗り越えられる。
劣等感は劣等コンプレックスとなり、卑屈や他責から優越コンプレックスに陥る。
智慧があれば今だけでなく長期的に見る。
自分だけでなく他とともに幸福になることを考える。
慈悲は他(全体)の幸福を願うことで、自と他双方の幸福をめざす。
自と他の幸福は一体である。第248回『苦楽表裏・心の器・スピリチュアルエゴ・苦は無常』(2015年8月2日 福岡 74min) (2015年8月 3日)
1.仏教と感情の波
仏教では苦楽はセットであり、煩悩的な楽も喜びというよりも、その裏側に苦しみを伴う、一時的な興奮である。
苦しみを伴なわない、安定した広がりのある暖かい心(慈悲の幸福)を得る地道な努力を仏教は求める。2.心の器と広げるには
怒りの対象については、ずるいという気持ちが隠れている。それは、その対象も自分も、似たものにとらわれているからである。
それがなければ、悲しみ・哀れみが生じる。これに気づいて反面教師と見て感謝する。ひかりの輪では、自他を区別しない万物一体の読経瞑想を行っている。3.集団的自衛権をどう考えるか
ブッダの教えは自他を平等に愛するものであり、自分が他から奪うことは許さないが、他が自分から奪うことを受け入れるものではなく、その意味で(集団的な)自衛権を行使することは否定しない。問題は正しく行使できるか。4、スピリチュアルエゴについて
霊的修行によって気が浄化されると、人ごみの中で疲れを感じることもあるが、そこで他を嫌悪するのはスピリチュアルエゴとなる。
大乗仏教の考え方では、他に対する慈悲を持つことで、悪い気・エネルギーを浄化・昇華できる。5.どんな苦も無常であるとの教え
苦しみは無限に続かない。長年の労苦も、一日単位で見れば、休める時もある。
さらに、苦の裏には楽があると考える。こうして苦を過大視しないことだ。
人生はマラソンで、焦らずたゆまず毎日こつこつ努力を重ねることが重要である。