2016年5月
第285回『本当に成長するための心構え:競争心と菩提心』(2016年5月22日 福岡 59min) (2016年5月23日)
1.競争心による努力の限界競争社会の影響もあって、努力する動機として、多くの場合、他に勝ちたいといった欲求があるが、こればかりが動機だと、本当の努力・成長はできない。
勝てない場合に早々に諦め、少し勝つと慢心して努力が緩み、妬み・見下しの心のため、他から学ぶ努力を怠り、勝つために、不正を行う場合もある。これだと、着実な成長はできず、同じ間違いを繰り返す。2.仏教の説く向上心
仏教が説く向上心は、純粋に自己の(精神的な)成長を目的とし、その究極が悟り。それは、他の成長とも一体。よって、特に大乗仏教は、自他双方の精神的な成長を目的とした努力を説き、その究極が菩薩道であり、菩提心。
3.仏教思想と競争の関係
仏教は、競争を全て否定はしない。全体の向上を目的とし、その手段として、互いに切磋琢磨して学び合う仕組みとしての競争というものもある。しかし、自己の勝利のみを目的とした競争は、上記のような弊害があり、真の成長をもたらさない。
4.他者への感謝を伴う菩提心
菩提心は、他者への感謝・尊重・愛と一体となっている。菩薩の利他行とは、他者への感謝に基づく恩返し。そして、この利他の行は、実は、菩薩自身の成長に繋がる。感謝と恩返しの利他行の無限の好循環が続き、努力が途絶えることなく深まっていく。
第283回 GWセミナー特別教本『新しい幸福と成長の哲学』第7回(2016年5月3日 108min) (2016年5月20日)
第4章 生まれ変わりの霊的哲学より1.生まれ変わりの色々な思想
輪廻と転生・リインカネーション
2.知られざる仏教・ヒンズーの輪廻思想の真実
五道輪廻から六道輪廻への発展、真我と無我の思想。カースト制度と輪廻思想の関係
3.開祖釈迦は転生を強調せず?
釈迦前から輪廻思想はあった。釈迦の輪廻の説法。釈迦が輪廻を否定したと主張する人達
4.転生を信じる根拠や科学的な証明の試みと反論
瞑想修行者のサマディ体験、臨死体験、前生を記憶する子供たちの学術的研究、前生退行催眠の体験、これらに対する反論
5.生まれ変わりを信じるべきか
生まれ変わりの思想の功罪とは。否定も肯定もしない中道思想とは?くわえて、質疑応答とは、取り返しのつかない罪に関して自分を許すには?無分別智・縁起の法・一元思想といった仏教の究極の智慧とは?といった質問に答えています。
第282回 GWセミナー特別教本『新しい幸福と成長の哲学』第6回(2016年5月2日 97min) (2016年5月16日)
「仏陀の成長哲学:真の成長のための心の持ち方・真の向上心とは何か」1.向上の努力をする際に、他に勝ちたい(競争心・優越感を求め劣等感を嫌う)場合が多いが、それには、多くの落とし穴があり、真の努力になならない。
勝てない場合は諦める(卑屈)、勝ちつための不正手段に陥る、勝って慢心・見下しのため油断する(努力が止まる)、妬みで他から学ばない、などなど。2.そのため、気づいて見ると、多くの人が、良くなったり悪くなったり、行きつ戻りつを繰り返し、十分に成長できない自分に気づく。仏教の輪廻の浮沈の思想に通じる。
3.仏教の思想を学ぶと、真の向上心は、勝つためだけに偏らず、自他と成長を純粋に重視し、切磋琢磨する他への感謝・尊重に基づき、他を見本や反面教師として学び合うことと感じられる。菩薩の利他行の心構え=菩提心と通じ、その動機は優越感ではなく、他への感謝・尊重・愛とされる。
その他、質疑応答に応え、真の成長のため心構え・哲学を仏教や心理学の智恵から解説。
第281回 GWセミナー特別教本『新しい幸福と成長の哲学』第4回(2016年4月30日 95min) (2016年5月15日)
GWセミナー特別教本 「第2章 仏教の根本哲学:縁起・因果の法」から仏陀の根幹思想である縁起の法について。
「縁起」とは、一般には、良いこと・悪いことの起きるきざしの意味で用いられる。しかし、仏教用語としての「縁起」は、違った意味を持ち、仏教の根幹の思想である。
縁起の「縁」は、条件・原因を意味し、縁起は、「(事物が)原因・条件によって生じる(生起する)」とか、「原因に縁って結果が起きる」という意味を持つ。なぜ縁起の法が重要で、縁起の法を理解したらどのように煩悩が静まり、苦しみが静まるのか。
苦しみの原因である煩悩、煩悩の原因である無智というものが、縁起の法を理解するとどう静まるのか。
何が縁起で、何が無智なのか、何が縁起を理解した智慧なのか。自他一体とみて、万物を愛すると言われている内容は、自他と他者を平等に肯定的に見て、ありのままに受け止めるといった意味も含まれているかという質問など。