聖地めぐり
ひかりの輪で行っている日本の聖地めぐりのご案内です。

ひかりの輪の聖地巡り

(8)聖地めぐりでの「ヨーガ歩行瞑想」に関して

 以下に、ひかりの輪の聖地めぐりで行っている「ヨーガ歩行瞑想」について解説した資料を掲載いたします。

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ヨーガ歩行瞑想に関して

1.歩行運動と仏道・ヨーガ修行

 歩行運動が心身の健康に良いことは、医学的に確認されている。また、釈迦の初期仏教教団の修行でもあり、それが日本仏教では、いっそう際立つ感がある。仏教僧の諸国行脚による修行の伝統、真言宗の四国お遍路巡り、天台宗比叡山の千日回峰行、各地の三十三観音巡り、さらには山岳仏教・修験道(山伏修行)などである。そして、仏道修行者が健康長寿であることも、学術的に確認されているが、その原因の一つが、歩行運動ではないかといわれている(「なぜ宗教家は日本で一番長生きなの」島田裕己,KADOKAWA出版)。

2.どのような歩行が良いか? 科学的な調査研究

 科学的な調査研究によれば、健康寿命を延ばすためには、中強度が最適な運動強度とされている。歩行でいうと、低強度は、家の中の移動や意識せずにだらだらとした歩行であり、中強度は、大股で地面を力強く蹴る歩行、うっすらと汗ばむ程度の速歩き、会話が何とかできる程度の息が弾む歩行、山歩きや畑仕事などである(高強度は、きついと感じる運動や激しいトレーニングを指す)。よって、健康寿命が延びるウォーキングを例示すれば、「大股で地面を力強く蹴って歩く」、「うっすらと汗ばむ程度に速歩きをする」ということになる。

 また、健康寿命を延ばすこと、社会生活に必要な機能向上を図ること、生活習慣病予防を徹底することなど、国民の健康増進の総合的な推進を図るための基本的方針を示した「健康日本21」では、歩数の目標値として20~64歳までは男性9000歩、女性8500歩、65歳以上では男性7000歩、女性6000歩が掲げられている。

 さらに、最近の研究によると、1日当たりの歩数が2000歩で、中強度歩行(速歩き)の時間0分の場合は、寝たきりを予防することができる。以下同じように、4000歩・5分はうつ病、5000歩・7.5分は要支援・要介護・認知症・心疾患・脳卒中、7000歩15分は、がん・動脈硬化・骨粗鬆症・骨折、7500歩・17.5分は、筋減少症・体力の低下(特に75歳以上の下肢筋力や歩行速度)、8000歩・20分は高血圧・糖尿病・脂質異常症・メタボリックシンドローム(75歳以上の場合)、9000歩・25分は、正常高値血圧・高血糖、10000歩・30分はメタボリックシンドローム(75歳未満の場合)、12000歩・40分 は肥満をそれぞれ予防できるという(以上、公益財団法人・長寿科学振興財団のHPより)

3.自然の中のウォーキングの効果:科学的な調査研究

 さらに自然の中のウォーキングの効果も科学的に確認されている。例えば、森林の中のウォーキングは、①がんへの抵抗力を高める(がんを破壊するNK(ナチュラルキラー)細胞の活性が上昇)、②ストレスの減少(収縮期や拡張期血圧・脈拍数が低下。ストレスホルモンのコルチゾールが減少)、③リラックス効果がある(リラックスをもたらす副交感神経が優位になる)とされている(参考:日本医科大学衛生学公衆衛生学の李卿氏の長野県飯山市の森林の中でのウォーキングの調査研究など)。他にも④血糖値を低下させるなどの報告がある。

4.ひかりの輪の聖地巡りにおけるヨーガ歩行瞑想

 ひかりの輪では、仏道・ヨーガ修行の伝統と経験、上記の科学的研究、さらには近代登山(アルペン)の知見を踏まえて、以下のような「ヨーガ歩行瞑想」を提唱する。

①歩行前に全身をほぐす体操をする

 歩行瞑想の前に、準備体操で体全体をほぐす。歩行中の怪我の予防のために、足首・膝・足の付け根・腰といった下半身の運動は当然行うが、それに加えて、上半身も体操して筋肉をほぐし、体全体の血流を良くすること、胸郭を広げて深い呼吸をしやすくすること、良い姿勢で歩きやすくすることも重要である。これは、ヨーガではアーサナ(体位法・座法)と呼ばれる体操法・座法・姿勢法に相当する。

②歩行中の正しい姿勢と深呼吸

 背筋を伸ばして軽く胸を張った正しい姿勢を取り、余計な力を抜くとともに、深呼吸をしながら歩行する。これは、ヨーガのアーサナ(体位法・座法)と呼ばれる姿勢法と、プラーナーヤーマ(調気法・調息法)と呼ばれる呼吸法に相当する。正しい姿勢は、胸郭を広げて、深呼吸とともに、肺の機能・酸素摂取能力を高める。これにより、普通の姿勢・呼吸の場合よりも、大幅に酸素摂取能力が向上する。

 特に、酸素密度が低い高山の登山では、深呼吸によって、格段に酸素摂取能力が上がり、こまめで十分な水分摂取とともに、脳をはじめとする体内の酸素不足を原因とする高山病の予防の決め手となることが、専門医の登山家によって確認されている(名古屋市立大学三浦裕准教授)。なお、登山の場合は、平地と異なって、安全確保が優先のため、絶えず背筋を伸ばした姿勢を維持できなくても構わないと思われる。

③歩行のスピード

 歩行のスピードは、深呼吸を維持できる程度にするが、平地であれば、上記の中強度の歩行(速歩き)をしても、深呼吸は十分に維持できる。なお、登山の登りでは、深呼吸をしながら、焦らずにゆっくり目に登る感じでよい(ゆっくり目に登っても中強度の運動になる)。登山の場合、焦って急いで息を切らして登っては、たびたび休むというのではなく、焦らずゆっくり深呼吸をしながら、休みすぎずに同じペースで登っていく方が、疲労が少ないとされる。

④歩行中にこまめに十分に水分を摂取する

 中強度の運動となる歩行瞑想中は、発汗によって水分を失うので、歩行瞑想中に十分な水分を取ることができるように、飲み物を用意する。また、水分は、のどがカラカラになった後に、一気に大量に摂取するのではなく、運動中にこまめに摂取することが望ましい。水分が不足すれば血流が滞り、酸素と栄養が体に回らず、運動に必要なエネルギーの生産もできなくなる。そのため、暑い時は脱水症など、高山では高山病の可能性が生じ、疲労や身体的な苦痛が増す。

※参考:心身の健康と悟りの鍵となる血流と気の流れ

 そもそも、①十分な酸素と栄養を含んだ血液が、②十分に体中を循環する血流の良い状態を保つことは、最も重要な健康と疾病の予防の土台であり、平地の日常の生活の中に見られる、頭痛・めまい・吐き気・不眠・寝起きの悪さといった様々な体調不良から、様々な具体的な疾患の予防のために、非常に有効である。

 そのための鍵は、これまで述べてきたように、身体的・物理的な視点から言えば、水分摂取、体操・姿勢・呼吸法、適度な歩行運動(自然の中で)などである。よって、ひかりの輪の聖地でのヨーガ歩行瞑想は、日常の心身の健康の鍵となるものを改善するものである。さらに、ヨーガにおいては、十分な酸素と栄養を含んだ十分な血流という概念に加えて、目に見えないエネルギーの「気」が、スムーズに気の通り道(気道)を巡ることを重視するが、この気の流れと血流は連動して改善するとされる。

⑤歩行中の意識の持ち方(瞑想法)

 上記のように、森林の中のウォーキングなどでは、おのずとポジティブな心理状態になることが報告されている。これに加えて、仏道・ヨーガ修行や、山岳仏教・修験道(山伏修行)の伝統の視点からは、大自然(例えば山)を尊び、大自然(例えば山)と心理的に一体となること(万物一体、無念無想・無心・無我の境地)を目指す面がある。

 そのための第一の方法としては、私語を慎んで、無念無想で歩行するように努めることがある。無念無想の状態とは、日常の自我の思考(私のことばかり考える思考)が消失して、自と他を区別する認識が弱り、結果として周辺の自然と自ずと一体となる。

 なお、登山などでは、歩行中に、身体的な苦痛が生じると、「早く楽になりたい」とか、「早く山頂に行きたい」という自我の欲求(欲望)を背景として、「いったいあとどのくらいで着くのか」「山頂はあまりに遠い」といった、ネガティブな感情・雑念が生じることがあるが、そうした感情を払い、目の前の一歩一歩を進めることに集中する。

 そして、そうした方が結果として楽に登ることができる。これは、嫌がるほど苦しみを強く感じるという心理的な要因や、嫌悪によるストレスホルモンの分泌による物理的・身体的な否定的効果などのためであると思われる。なお、登山の場合は、平地と違って、私語を発したりする余力がない場合が多いから、身体的な負荷による否定的な感情を排除することができるならば、逆に無念無想・無心になりやすい面もあるので、それを活用するとよいだろう。

 第二の方法としては、大自然・万物(例えば山)を、自分の生命を支え、さらには、精神的な成長・悟りに導く仏の母胎の中(悟りの道場・浄土)などと考えて、大自然・万物に感謝・敬意(畏敬の念)・愛を持つように努めることである。そのような意識を持つと、自ずと自然と一体になりやすい。これは、ひかりの輪の三悟心経の「万物恩恵・万物感謝、万物神仏・万物尊重、万物一体・万物愛和」の読経瞑想の思想に通じるものであることがわかるだろう。

※参考:自然を尊ぶ日本の伝統的な思想

 古来、日本は、命を支える自然・万物に精霊を見る縄文時代からの精霊信仰や、万物を神仏と見る神道の八百万の神の思想があり、自然を神仏と見なす伝統がある。その中で、山を尊ぶ山岳信仰があり、命の源である水が流れて来る源が山であり、人は死んだらその魂は山に戻ると考えた。そこに仏教などの流入とともに山岳仏教・修験道(山伏修行)が生まれ、山を仏の母胎と見て、精神的に生まれ変わる場とみなす思想も生まれた。

 こうして、大自然と一体となると、大自然からエネルギーをもらえるという体験をする人が少なからずいるが、脳科学的に見ても、感謝や愛・一体感の意識は、痛み・苦痛を和らげ、心身の健康を改善し、精神を安定させる効果を持つ幸福ホルモン(エンドルフィン・オキシトシン・セロトニン)の分泌を促進する効果がある。

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