【出羽三山2】山頂より泉湧く山・羽黒山1
勤行を終えて、出で立ちを整え錫杖を持ち、にわか山伏となったわたしたちは、最初の目的地・羽黒山に向かいました。
先達の山伏の方の大きな法螺貝の合図で、いよいよ出立です。
鳥居の奥には入り口に朱色の随神門がありました。明治の神仏分離までは仁王像が安置されていた門です。
随神門をくぐると、急な下り坂(継子坂)となっていて、山に登るつもりが、下へ下へと谷を下っていくことになり、まるで異世界へと入っていくような不思議な坂です。
坂を下りきると、禊ぎの川・祓川と滝がありました。
祓川にかかる神橋を渡ると、ここからが聖域となります。
ここからしばらくはゆるやかな石段を登っていきます。
この随神門や杉並木は、ひかりの輪で毎年参拝させていただいている、最近人気沸騰のパワースポットである戸隠神社奥社にもよく似ています。
途中、天然記念物の翁杉が、ご神木として祀られていました。
相方の婆杉もあったとのことですが、いまは爺杉だけとなっています。
石段を登っていくと、杉並木にまじって美しい五重の塔があり、国宝に指定されているこの塔は、とても森と調和していて、まるで杉の木が五重塔に変身してしまったかのようです。
神仏分離まで羽黒三所権現が祀られ、現在は大国主命を祀るこの塔の前で、勤行を行いました。
現地のお祈りの形式で、二礼二拍手一礼、祝詞、般若心経、三語拝詞、三山拝詞、震災被害の早期回復のお祈りを山伏の方の先達で唱えます。
加えて、羽黒山の本地仏・観音様の真言も唱えさせていただきました。
参道の石段は、2446段あり、全部で約1時間の登拝となりますが、ところどころ、見所のところで休みながら、ゆっくり昇っていきました。
なお、病人などの方はここから引き返し車で山頂へと向かいました。
天然記念物に指定されている樹齢数百年の杉の生い茂る森は、霊気あふれ、とても清々しい心持ちがします。
一歩一歩石段を登っていくごとに、心洗われるようです。
一の坂、二の坂と呼ばれる急な石段を一歩一歩、ひたすら登っていき、お茶屋さんで一休み。
綺麗な景色が望めます。
参加者の方も上祐代表も晴れ晴れとした顔をしていました。
そして、ひたすら三の坂の石段を登り、一気に山頂を目指します。
鳥居が見えてきました。
先に着いた先達の山伏の方が、法螺貝を吹いて迎えてくださいます。
ついに山頂に到着です。
鳥居を入ってすぐ左に、蜂子神社、その奥に巨大なかやぶき屋根の三神合祭殿があります。
ここには、羽黒山(稲倉魂命)、月山(月読命)、湯殿山(大山)の出羽三山の三つの山の神がお祭されています。
まずはここで勤行を行い、心を込めて参拝させていただきました。
「【出羽三山2】山頂より泉湧く山・羽黒山2 」に続く
2011年7月30日 実施