地下鉄サリン事件から30年目を迎えるに際して
(2025年3月13日)
本年3月20日をもって地下鉄サリン事件から30年目を迎えるに際して、同事件について以下にコメントさせていただくとともに、今現在のアレフ(旧オウム真理教)の様々な違法行為の問題と、その背景に推測される麻原家族の教団裏支配の問題について、情報提供をさせていただきます。
1,地下鉄サリン事件から30年目を迎えるに際して
ひかりの輪会員のうち事件当時オウム信者だった者たち一同は、事件で犠牲になられた14名の皆様のご冥福をお祈りするとともに、心身に傷を負われた多くの方々が1日も早く癒されるよう祈念し、当時のオウム教団に関わった者として、あらためて皆様に深くお詫び申し上げます。
地下鉄サリン事件等の一連のオウム事件は、誇大妄想や被害妄想にとらわれるという人格障害者であった麻原が、自らが支配する国家の建設を妄想し、その実現を妨害しようとしているように見えた社会に対して引き起こした、決して許されるべきではない非道な犯罪でした。
そして、その責任は、麻原のみならず、麻原に自らの欲望を投影して、麻原と同調した弟子達や、事件に関与しなかったとはいえ、そのような教団を支えた多くのオウム信者にも帰せられるべきだと考えています。
ひかりの輪の中でも、かつてオウム信者であった者につきましては、深くその責任を感じ、償いのためにも、二度と同様の事件が起きないように反省・総括を深め、社会に教訓を残す活動に努めるとともに、被害者の皆様への賠償金のお支払いに努めてまいりましたが、今後も全力を挙げさせていただく所存です。
一方、アレフは、いまだに事件を反省せず、下記「2」で記載の通り、被害者の方々への賠償金の支払いを拒否し続け、支払いを逃れるためと思われる公安調査庁への資産の不報告を続けたため、一昨年の3月以来、再発防止処分が適用されています。そのため、アレフは、寄付の受領と一部施設の使用が禁止されるに至り、被害者賠償がますます停滞する状況となっています。
これを受けて、当団体「ひかりの輪」は、賠償の停滞を少しでも和らげるために、2009年に被害者団体と締結した賠償契約の履行に関して、一昨年の3月以降は、契約上の義務である年間の賠償額を上回る額をお支払いして、賠償金支払いを増額する努力を続けさせていただいております(具体的には、2014年から一昨年2月までは毎月25万円のお支払いでしたが、一昨年3月以降は毎月50万円に増額させていただいております)。
また、当団体の創設メンバーは、18年前の2007年にアレフを脱会・独立して以来、アレフ信者の脱会支援を行ってまいりましたが、アレフの活動を大幅に規制する一昨年来の再発防止処分の適用を受け、脱会支援活動をいっそう深めたいと考えております。
※参考資料(当団体ホームページより)
◎オウム真理教に対する反省・総括とネット上での公表
◎反省・総括の書籍・マスコミ・対談での公表
◎被害者賠償金のお支払いについて〈お支払いの最新状況〉
◎アレフへの再発防止処分の決定と、ひかりの輪の賠償努力の強化について
◎アレフ(オウム)脱会支援・入会阻止活動
◎【動画】『ひかりの輪の実際―脱麻原・脱宗教の改革、アレフ問題解決努力、賠償の増額、識者評価』
2,アレフに今も続く違法行為・被害と麻原次男・家族による教団の裏支配の疑惑
――および行政の対応の不足の問題
さらに、当団体としましては、過去の問題に限らず、「今現在も続くオウム問題」、すなわち、今のアレフに続く重大な違法行為等の問題の解決が急務であると考え、このたび参考情報を提供させていただきます。
すでに一部で報道が始まっていますが、「今現在も続くオウム(アレフ)問題」とは、以下の通りです。
●アレフ(旧オウム真理教)が、オウム事件被害者への賠償契約を履行せず、賠償金の支払いを拒否した上に、国への資産の報告義務を果たさず(団体規制法違反)、資産を隠してその強制回収を妨げた結果として(強制執行妨害罪の疑い)、アレフは2023年3月から国・公安調査庁から寄付受領と施設の一部使用禁止の再発防止処分を受けたものの、賠償を履行する様子は引き続きなく、行政も刑事摘発などのより強力な対応をする気配はない中で、事件被害者は賠償未了のままに放置されていること。
●アレフが、正体を隠したヨーガ教室やサークルなどで、事件を知らない若い世代などに、「オウム事件はオウム以外の者による陰謀」という陰謀論や、「オウム事件は正しかった」という事件を肯定する主張を行い、麻原や麻原の次男を神格化する虚偽の主張をする等の詐欺的な勧誘を行って、若者等を入信させ、地獄に落ちるなどと主張して脱会を妨害し、新たな被害者が多数出ており、その中には出家する者とそれに悩む家族の被害も生じていること。しかしながら、これに関して、行政(公安調査庁)は、いまだにアレフの勧誘活動に関する情報発信にとどまり、団体規制法に基づいて可能である入会勧誘の禁止等の再発防止処分を行わずに、長年放置してきたこと。
●アレフは、麻原の家族が2000年の家族内の刑事事件後に、教団に籍を置かずに教団を裏から支配しながら、そのために分裂を繰り返してきたことが明らかになっており、現在も裏支配が推認される中で、教団は、麻原から2代目教祖の後継指名を受けた麻原の次男(今月11日で31歳)の教団復帰祈願の儀礼をその誕生日(3月11日)に次男の宗教名を冠した「アクショーブヤの日」として繰り返し行ってきた(注:アクショーブヤとは、麻原の殺人を肯定する危険な教えと同じ名称)。
そして、昨年(2024年)10月以降に、上記のアレフの反社会的路線は、麻原次男が教団を裏から独裁支配する結果であると主張する告発が、元アレフ幹部信者と称する匿名の者によって、断続的にネット上に出回るといったきな臭さを感じる状況があること。しかしながら行政は、団体規制法に基づく麻原家族への立入検査や、教団の上層部に対する捜査などを行ってこなかったこと。
3,当団体からの提言
そこで、当団体としましては、以下の通り提言させていただきます。
(1)アレフの違法な布教活動に対しては、公安調査庁が、団体規制法に基づいて入会勧誘を禁止する処分(同法8条2項4号)を行うこと(陰謀論を説いたり、事件を肯定したり、脱会妨害する等のアレフの行為は、同処分の理由になると解釈される)。
(2)アレフの賠償拒絶・資産隠しの問題に対しては、主に捜査当局が、アレフ教団上層部を強制執行妨害罪等の嫌疑に基づき刑事摘発する等の厳格な取り組みによって、2代目教祖問題も未然に防いで、万が一にも過去の二の舞とならぬようにすること。
(3)アレフの詐欺的な勧誘によって入会させられ、脱退を妨害され、寄付をさせられた信者を救済するための公的な相談窓口を設置すること(なお、旧統一教会の被害者については、すでに昨年3月、法テラス(日本司法支援センター)において、「特定被害者法律援助業務」が開始されている)。
※上記2と3の参考資料(当団体ホームページより)
◎「アレフに今も続く違法行為と麻原次男・家族の教団裏支配疑惑」
◎【動画】「アレフに今も続く違法行為と麻原次男・家族の教団裏支配疑惑」
◎「旧統一教会を上回る、アレフ(旧オウム)の「正体隠し布教」の様々な違法性・悪質性」
◎【動画】「隠し・だまし・脅し、危険! 旧統一教会以上! アレフの違法な布教活動と行政の無策...。」
◎【動画】「麻原次男(31)の 「2代目教祖化」を進めるアレフ 今、二の舞を防ぐ努力を!」
4,報道各社様への要望
最後に、報道各社様におかれましては、本件の報道に際しましては、くれぐれも、当団体「ひかりの輪」と、アレフ(Aleph)とを混同することのないよう、ご注意のほどお願い申し上げます。
アレフはオウム真理教の後継団体であって、上記の通り、被害者賠償拒絶・資産隠しを行うとともに、正体隠しや陰謀論による詐欺的布教活動を行ってきた一方、当団体「ひかりの輪」は2007年の発足以来、オウム・アレフに一貫して反対し、アレフの違法不法な上記活動を厳しく糾弾し続けてきました。
現に、2017年の東京地裁判決によって、当団体「ひかりの輪」とアレフとは、別の団体であると認められ、「ひかりの輪とアレフの性格は相当に異なるものとなっている」「ひかりの輪とアレフは対立関係にあると評価できる」と事実認定されています。
にもかかわらず、先日、一部のテレビ局が、アレフと当団体「ひかりの輪」を混同し、両団体とも正体隠しの詐欺的勧誘を行っているという誤報を流すという事態が生じました。
当団体「ひかりの輪」は、アレフからの信者脱会支援を行っておりますが(これまでに200人以上を脱会させました)、万一にも両団体が同一団体であるかのような誤解が広がりますと、新規入会してしまったアレフ信者が当団体「ひかりの輪」に脱会相談をしにくくなるなど、オウム・アレフ問題の解決に支障が生じることとなってしまいます。
以上の次第ですので、くれぐれも両団体を混同することのないよう重ねて要望申し上げます。
※参考資料(当団体ホームページより)
◎ひかりの輪とアレフの大きな違い
◎【動画】『「ひかりの輪」とは?その実際、「アレフ」とは大違い、「公安」の大間違い』
◎【動画】『公安調査庁の主張の誤り─その調査と組織体質の問題』
◎【動画】『「上祐幽閉」事件の真相/アレフと公安の魔女狩り』
2025年3月10日 ひかりの輪