1.瞑想とは何か?
瞑想を専門的に定義するならば、瞑想とは、「心の安定と集中をもたらす修習(しゅじゅう)」ということができます。
この修習とは、「繰り返し行うこと」を意味します。そして、心が安定して集中している状態を瞑想状態といいます。言い換えれば、思考や感情が静まりながら、ないしは、自分の意志のもとに思考や感情を制御しながら、ボーッとなどしておらずに、意識は鮮明であり、何かに集中している(何かに集中が可能な)状態です。
瞑想は、漢訳の仏教専門用語では、「禅定(ぜんじょう)」といいます。または、「禅(ぜん)」や「定(じょう)」と呼ばれます。禅は、日本語として馴染みがある「座禅」の禅です。座禅とは、「座って行う瞑想」です。同様に、「立禅」、「歩行禅」もあり、それぞれ「立って行う瞑想」、「歩行しながら行う瞑想」を意味します。禅定は、禅と定の複合語で、おそらく中国で出来た言葉だと思われます。
この禅と定のサンスクリット語の原語は、ディアーナ(静慮)とサマディ(三昧(さんまい))であり、これはヨーガでも説かれる言葉です。この二つには、それぞれの意味がありますが、それは宗派・経典によって異なる面もあるので、ここでは省略します。