4.水晶・数珠ほか
◎水晶(仏教語では玻璃(はり))
水晶は仏教語で玻璃ともいわれ、阿弥陀如来などについて説く無量寿経などで、仏教の七宝の一つとされています。
また、この水晶を、汚れを清める「水」を象徴するものと解釈したり、その形からして、仏教が説く宝珠(マニ)と解釈する宗派もあります。そして、水晶は、観音菩薩が手に持つ法具ですから、観音菩薩の象徴とも解釈できるでしょう。
さて、仏教の世界に限らず、水晶は、パワーストーンの世界では、最もオールマイティな力を持つ貴石だといわれています。インド占星学の開運法においても、貴石を用いる場合がありますが、身に着ける人の浄化を促す貴石として重用されているそうです。また、水晶を身に付けることで、汚れが浄化され、幸福になる(除災招福)という考えが、一部の仏教・ヒンドゥー教の宗派やパワーストーンの世界にはあります。
ひかりの輪でも、教室にも一部水晶を飾っていたり、水晶で作ったブレスレッドやネックレスをお分けしたりしています。
※ご注意
ひかりの輪は宗教団体ではなく、上記の一部の宗派・学派・精神世界の主張や個人の体験を根拠として、科学的に解明された根拠がないにもかかわらず、仏教の法具や特定の宗派・集団を神格化・信仰することは一切ありません。皆さんがご活用される場合も、何事も妄信は危険だという原則を踏まえ、自己責任を持って活用してくださるようにお願いします。
◎数珠(サンスクリット語でアクシャマーラ)
よい参考文献があるので、それを引用して説明します。
「アクシャマーラ(数珠)
本来は数を数えるための「カウンター」であったが、変じて、これは決して終わることのない輪を表わし、また、一粒一粒が仏であるともいわれるようになっ た。ひと続きの念珠で、ある乾燥した果実の種子からできている。その他に、水晶のような物質からできているものもある。仏教の伝統によれば、これは観音菩 薩を表わす特殊な象徴である。また、プラジュニャーパーラミター、ヴァスダーラーのシンボルである。ヒンドゥー教の伝統では、ブラフマー、ガネー シャそしてサラスヴァティーの持ち物である。」(アジアの法具と仏像)
◎羯磨(金剛)(十字金剛、サンスクリット語でヴィシュヴァヴァジュラ)
仏教では、この法具は、結界を張り、部屋・空間の浄化・守護のために用いるとされています。ひかりの輪で用いることは、他の法具と比較すれば余りありませんが、参考文献を引用して、伝統的な意味合い・使い方をご紹介します。
水晶球を置くと更にパワーアップされます
「羯磨(かつま)
仏教法具の一つで、「羯磨金剛」の略称。「羯磨輪」「羯磨杵」「十字金剛」「十字縛日羅」などとも称する。形状は陀羅尼集経(だらにじっきょう)に「交叉 二跋折羅、その形十字形のごとし」とあるように2本の三鈷杵を十字に組んだ形に呈し、修法の際に大壇の四隅に羯磨台に載せて安置される。わが国へは平安時 代になってもたらされたものとみられ、入唐八家のうち最澄が請来したのは2口の羯磨であったが、空海・円行・恵運・円珍・宗叡はそれぞれ4口の羯磨を請来 していることから、すでに大壇の四隅に安置する使用法も伝えられていたものと推定される。京都・東寺(教王護国寺)の後七日御修法(ごしちにちみしほ)道 具中の羯磨4口は空海請来品の可能性もあり、わが国に現存する羯磨のうち最古の作で、もっとも優れている。中央の鬼目に素弁16葉の蓮弁をめぐらしている が、鎌倉時代以降の作例では八葉蓮華にかたどるのが通例となる。」(『岩波仏教辞典』)
「ヴィシュヴァ・ヴァジュラ(交差金剛杵)
二つのヴァジュラが交差するとき、これはヴィシュヴァ・ヴァジュラと呼ばれる。これはアモーガシッディーの表象である。仏教では、「一切の聖者を歓喜せし め、有情を教化する力のシンボル」とされる。また、結界を張るための法具としても有効で、事実古い仏教寺院の基礎部分からこの法具が発見されている(ビッ ソ・バジュラ)ともいう。」(『アジアの仏像と法具』)
◎独鈷(とっこ)、プルパ
「牛にひかれて善光寺」という言葉でも有名な、あの名高い長野・善光寺には、一般の参拝客にも、「お戒壇巡り」という、秘仏・善光寺如来像とご縁を結ぶ儀礼の機会がありますが、そのご縁を結んでいるものが、この種類の法具のようです(秘仏・善光寺如来像は日本最古の仏像)。
また、仏教法具によるヒーリングを行う人たちの間では、この独特の形が、仏教・ヨーガ・仙道・気功・中国医学などが説く、体の中を流れる目に見えないエネルギーの流れである「気」の詰まりを取り除く効能があるという考え方があります。この尖った先を充てられたところの気の流れの詰まりを取り除くとされており、使い方と しては、右手で持ち、尖っている方を詰まっている所にかざして、右回りにゆっくりと回すように使うのがよいと考える人もいます。中国医学などが説く、経絡の中で、気の流れが滞っている場所(経穴=ツボ)に対して行う鍼灸や指圧と似た原理かと思われます。
伝統的な意味合いは、以下の参考文献が詳しいです。
「独鈷(とっこ)
「とこ」「どくこ」とも読む。「独鈷杵」の略で、「一股杵」ともいう。鈷は、「股」とも記す。仏教の修法に用いる法具で、把手の両端の鈷(峰・きっさき) が分かれておらず、1本のみの金剛杵。胎蔵曼荼羅の発生金剛部菩薩らの持物。教義的には唯一の法界を示し、精進勇猛(ゆうみょう)、摧破(ざいは)の意味 を表わす。通例、中央の把手部には4個の球状の突起(鬼目)をつけ、その両側を八葉蓮華で飾る。「手に独鈷をにぎりたり。金色さびずしてきらめきたり」 (著聞釈教)」(『岩波仏教辞典』)
「プルパ(キーラ・金剛くい)
もともとは結界を張るときに使う、一切の魔を打ち滅ぼす法具。しかし、その本当の姿はヴァジュラ・サットヴァ、マンジュシュリー、観音菩薩の忿怒の力の結晶であり、すなわち仏の「神通力・智慧・慈悲」すべてを兼ね備えた守護神なのである。」(『アジアの仏像と法具』)
◎斧(サンスクリット語でカルタリ)
これも、ヒーリングの世界では、気の詰まりを取り除く法具として使われることもあるようです。
使い方としては、刃の部分を気の詰まりに当てて取り除くとか、「溝の掃除をする時の掻き出しベラのようにして取り除きます。右手に持ち、「かぎ状」になっている方を詰まっている所にかざし、ゆっくりと回します。」(アジアの仏像と法具)という使い方もあるそうです。
さまざまな仏教法具やお香は、ひかりの輪ネットショップから購入できます。