2 呼吸の重要性
呼吸は人体から炭酸ガスを排出し、酸素を取り入れる役割を果たしています。
この酸素と炭酸ガスの交換を効率よく行うためには、深く長い呼吸を行う必要があります。しかし、現代人の多くは、浅く短い呼吸になっています。
また、食べ物によって取り入れられた栄養も酸素が不足すればエネルギーは生み出されません。
現代人の浅く短い呼吸は酸素の供給が少なく、そのためエネルギー生成も少なくなっています。
さらに、浅い呼吸は内臓の血液循環を滞らせることになり、内臓の弱化、疾病へとつながります。お腹を使った深い呼吸は、お腹にたまっている血液の三分の二が循環されるといいます。
呼吸はまた、感情の変化とも直結しています。心配すれば呼吸は浅くなり、怒れれば呼吸は荒く、またはとぎれるし、驚けば吸気に力が入るし、緊張が解けると呼気が長くなります。
ですから、呼吸を細くて長い呼吸をすれば感情も穏やかになるということです。
これは、息を吸うときに緊張を司る交感神経が活発になり、反対に吐くときに弛緩を司る副交感神経が活発になるということからもわかります。
呼吸は、普段、意識することなく行っていますが、意識的にもできます。このことは、呼吸は意識と無意識をつなぐ、あるいは統合する役割を担えるということです。分裂している自分をつなぎ、心と体をつなぎ、また、自分と他人、自分と世界・自然・宇宙とつなぐということです。