気功とは?
気功では、すべてのもの(万物)の根源を道(タオ)といいます。この道(タオ)から、一元の気(元の気)が生まれ、それが陰陽の二つ気を生み、その中で精(せい)・気(き)・神(しん)の三つ要素が生まれ、この三つの要素が万物を構成する、といいます。
そして、この精・気・神をあわせて、気(広義の気)といいます。
精・気・神とは、
精:生命現象における基本物質(血液、細胞など)を構成するもの。物質の根源。
気:生命活動を行う生命エネルギー
神:宇宙意識で、人間の意識活動、精神活動の源。生命活動を主宰するもの。
※精と気を、逆に説明することも多くあります。この3つは相互に関連して生命エネルギーを充実させていきますので、まったく別なものでもなく重なっている微妙なものです。
通常、「気」という場合は、精・気・神を合わせた広義の気と理解していただければいいと思います。この、気の離合集散によって、物質も生命現象も、生滅変化するということです。
気の感覚は、気功を続けていけば感じるようになります。掌がピリピリしたり、モヤモヤした感覚やフワフワした感覚を感じるようになります。また、体内を流れる気の感覚も感じ出してきます。
私たちの体内にある気を内気といい、外界の気を外気といいます。
そして、この内気と外気は指圧・マッサージなどで言うツボを通じて出入りしています。
●自律神経整え、免疫力・自然治癒力アップ そして、根源の智慧へ
気は、経絡(けいらく)という体中に張り巡らされた、気の流れ道を流れています。その気の流れが滞りなくスムーズに流れていると、心身の状態が健康であるということです。気功を、健康のために行う人が多いのも、気の充実と流れがスムーズなことで、元気で健康な状態が保たれるからです。
中国では昔から気による治療が行われてきました。中国医学では、気の滞りが病を誘発すると説明されています。
気功治療では、気功師が病人の患部に手をかざし、気を送ることで患部の気の流れを良くし邪気を浄化し病が治るということです。気は科学的には解明されていませんが、気の治療効果は長い歴史の中で経験的に知られてきました。気功は深いリラックス効果で免疫力を向上させ、病気にかかりにくくさせるといわれています。また、自然治癒力高まり、病気を癒やし、体質を改善効果があります。また、自律神経の働きを整え、ホルモンバランスを正常にします。
肩こり、腰痛なども気の滞りによって生じていて、気の流れがよくなるとコリも軽減します。
また、気功は、体だけに影響するものではありません。気が充実すれば気力が沸き、心が前向きになります。気の流れと心は関連していて、気が滞りなく流れることで心にも引っかかるものがなくなり、穏やかな心の状態になります。
気功師の治療を受けなくとも、自分で気功を行うことで心身の健康を保つことができます。よく中国の人々が朝、気功を行っている映像を見たことがある方も多いことと思います。気功の効果を実感しているからこそ、長年そのような光景が中国では見られるのです。
しかし、これらのことは、その本来の目的に至る過程で生じてくる副産物です。
気功の本来の目的は、気を精・気・神と変化させ、天地自然・宇宙と一体化し、その根源の智恵を得ることです。
その過程で、体の調子が調い、病気が治り、元気になるというわけです。
●調身・調息・調心
調身とは、身体を調えるということ、調息とは呼吸を調えること、調心とは心を調えることです。
調身 :身体で行う気功のポーズ・形は、身体をリラックスさせ、
気の通り道である経絡(けいらく)を気が通りやすくします。
ポーズ・形は、動きのあるもの(動功)と動きのないもの(静功)があります。
動きのある気功法は、体内にある毒素を掃き出し、浄化するものです。
じっと止まって行う静功は、気を体内に取り入れる方法です。
調息 :呼吸によって気の流れを調えます。
呼吸法は、体と心をリラックスさせる方法です。
気功において、リラックスはたいへん重要なことで、リラックスすることで、
気の活動は活発になり充実し、気の流れがよくなります。
また、呼吸法は体に気を溜めるための重要な方法です。
調心 :気功を行っていくと潜在意識に導かれ、瞑想しやすい意識状態になります。
瞑想によって思考を弱めることで自我意識を弱め、
根本の宇宙意識のはたらきを活発にします。
この3つはバラバラでなく、気功を行うときには、調心を中心に、3つを合わせて行うことがポイントです。このことは、精(物質の源)・気(エネルギー)・神(精神の源)を合わせて気ということを考えれば、重要なポイントであることがわかります。
●気功の段階
気功には、「丹田」という気を溜め、充実させるエネルギー・センターの概念があります。上丹田(頭の脳の中)、中丹田(胸)、下丹田(ヘソ下数センチ)の3つあります。
この3つの丹田が、「精」・「気」・「神」と対応しています。
まず、はじめの段階で、下丹田で「精」を充実させます。精を充実させると体の活力がわき、病気なども治っていきます。呼吸、意識によって下丹田に気を蓄積し熱を発生します。この段階は「精を練って気に変える」といわれる段階です。
発生させた熱を、全身に周流させることで「気」が充実すると、精神力が増し、雑念が減り、意欲がわきます。また、心が穏やかになり集中力も増してきます。この段階は「気を練って神に変える」といわれる段階です。
次に、「気」が充実すると上丹田に気が集まるようになり、「神(しん)」の智恵が生じてきます。この段階は「神を練って虚に還る」という段階。虚とは宇宙意識の智恵のことです。
そして最後に、天地自然・宇宙と一体化し、宇宙の智恵に則って生きるという段階になります。
以上が、大まかな気功修練の段階です。
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