周期説
ひかりの輪で紹介している社会学的・歴史学的・経済学的・自然科学的な各種の周期説や占星学の周期思想をご紹介しています

雛型理論とシンクロニシティ

16.オウムと世界のシンクロニシティ

(1)オウム事件と6年後のイスラムテロの連鎖

 こうした中で、以下の通り、オウムとその後のアレフに関しても、約6年の間隔で、類似した世界的な現象にシンクロしている(拡大投影されている)とも見える現象がある。それは、地下鉄サリン事件が、911テロに連鎖・シンクロして、対テロ戦争に発展したのではないかというものである。

 1995年:地下鉄サリン事件→幹部逮捕・宗教法人解散請求・破防法適用申請
 →6年後:2001年:9・11テロ、有志連合がアフガニスタンに侵攻

 この二つの事件の関連性に関しては、著名なジャーナリストの故立花隆氏などの識者が、地下鉄サリン事件が9・11テロに連鎖したことを指摘している。双方とも、反米思想を持った原理主義的な宗教集団が、大都市で早朝に、複数の公共交通機関を使って起こした同時多発テロである等の共通点があるからだ。


(2)ロシアのアレフ事件の6年後のロシアのウクライナ侵攻の連鎖

 2016年に、ロシア当局がロシアのアレフ教団の信者を拘束、刑事事件で摘発し、禁教とすると、ロシア連邦最高裁が、オウム・アレフをテロ組織と認定し、国内活動を全面的に禁止している。そして、そのちょうど6年後の2022年に、ロシアのプーチン政権がウクライナに侵攻している。

 ロシア当局によるアレフの摘発と、ロシア政府によるウクライナ侵攻には、直接的な関係はもちろんない。しかしながら、宗教学者の島田裕巳氏によれば、オウム(アレフ)のロシアでの活動が、ロシアのウクライナ侵攻の遠因の一つといえなくもないという。ロシアでも勢力を伸ばしたオウムがサリン事件を起こしたことなどが、プーチン政権が外国宗教への寛大さを弱めて、ロシア正教に特化する流れをつくる一つの要因となったからである。

 なぜこれが重要かというと、ロシアのウクライナ侵攻は、9・11テロと同質の宗教戦争の側面があるからである。具体的には、歴史的に、ロシア正教の(モスクワの)指導下にあって、東方正教会の仲間であったウクライナ正教が、ロシア正教から離れて西欧キリスト教会に近づくことへの宗教的な動機の怒り・怨念が、戦争の一因という見解である。

 ロシア正教は、プーチン氏をチーフ・エクソシスト(筆頭悪魔祓い師)に任命し、戦争を全面的に支持し、国民に「死を恐れずに国のために戦え」と説いた。こうして、9・11テロと同様に宗教戦争の意味があるというのである。こうして宗教を中心とした異なる文化圏の間の衝突(「文明の衝突」論)は、オウム事件直後の1996年に、冷戦後の世界の紛争の性質として発表され、主にイスラム文化圏・中華文化圏が西欧文化圏に挑戦・対立するとされたが、東方正教文化圏も取り上げられたことがある。

 もちろん、実際には、ロシアへの影響は、オウムの影響よりもイスラム勢力のテロやチェチェン紛争の方がはるかに大きいだろう。また、ロシア正教重視の姿勢の原因には、拡大する様子を見せた西欧・EU・NATO諸国と、そのキリスト教勢力への反発・対抗という意味もあるだろう。

 ただし、イスラムのテロと対テロ戦争自体が、オウムのサリン事件が連鎖した9・11テロを契機に激化し、その後に欧州やロシアにイスラムテロが起こったという前後関係を考えれば、オウムとイスラムや同年代の宗教テロリズムは、ソ連崩壊後に世界規模で生じた原理主義的な宗教テロリズムとして一括りにできるかもしれない。それと、ロシアのウクライナ侵攻が、同質の反欧米的な宗教戦争だという見解である。

※参考文献:ロシアのウクライナ侵攻は宗教戦争
https://www.asahi.com/articles/ASQCL3QB9QC1UCVL01Z.html
https://diamond.jp/articles/-/299578
https://diamond.jp/articles/-/299767
https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20220824/se1/00m/020/001000d
https://www.sankei.com/article/20230222-G7NAFMLWTJOEPJXDRK4ANXLIEM/
https://dot.asahi.com/aera/2022041900018.html?page=1
https://news.yahoo.co.jp/byline/saorii/20220323-00287889
https://shimbun.kosei-shuppan.co.jp/news/55220/
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2022/10/post-99972.php


(3)アレフと国との間の対立激化と、その6年後に予見されている大国間紛争の激化の連鎖

 さらに、被害者賠償金の支払いに消極的になったアレフに対して、被害者団体が支払いを求める裁判を2018年に起こした結果、アレフは2022年頃から資産隠しを始め、2023~2024年にかけて、国がアレフに活動の大幅な規制(再発防止処分)を始め、アレフと国・被害者団体との間での対立が深刻化したのだが、ちょうどその6年後の2030年に大国間の紛争が激化することをインド占星学の最高権威が予見していることも、6年間隔で広がる紛争の雛型的なシンクロニシティの見方と奇妙に一致している。



《出典:2023年GWセミナー特別教本『覚醒の道:仏教の幸福哲学 400年周期の仏教改革の開始』第2章より(一部改訂)》

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