有田芳生氏(参議院議員)
■有田芳生氏 (ジャーナリスト・参議院議員)
(上祐氏の書いた「オウム事件17年目の告白」の原稿の)目次を見て驚いた。
すぐに哲学者フリードリッヒ・ニーチェの言葉が心に浮かんだ。
「脱皮することのできない蛇は滅びる。」(中略)
この目次の項目が具体的に説明されているならば、上祐史浩氏は「脱皮」あるいは「脱皮しつつある」
のかもしれない。
一気に原稿を読み終えた。(中略)
そして、対談では私が指摘した疑問に上祐氏は具体的に答えている。
(『オウム事件 17年目の告白』の「特別検証」寄稿より)
今回は、この本の目次を見た段階でぜひ(上祐氏と)話をしてみたいと思ったんです。
というのは(中略)上祐さんのご両親の話が書かれていたからです。
これは率直に驚きでした。(中略)
自分と両親について語ることは、「社会の中のオウム」について語ることだと思うんです。
多くのまじめな若者たちがどうしてオウムに魅力を感じ、さらには凶悪な犯罪に走ってしまったのか。
日本社会がどうしてそのような集団を生み出してしまったのか。
上祐さんがそれを考える中で自分と両親の話に行き着いたのだとしたら、オウムばかりでなく、現代社会におけるカルトの問題、若者の内面に潜む根源の問題にまでたどり着いたはずだと思えたんです。(中略)
本書を読み、今日のお話も聞いて、上祐さんや周りの人たちが大きく脱皮しつつあることはわかりました。
(『オウム事件 17年目の告白』の「検証対談」より)
人間っていうのは変わりうるものだと僕は思ってますから、(中略)
この17年間(上祐さんは)ここまで変わったかっていう印象がものすごく強いんですよ。
で、番組でも言ったけども、自分の父親とか母親のことについてですね、彼が普通なら語らないようなことまで書いているんですよ。
その心境の変化っていうのは、やはり変化として認めておかなければいけないというふう思うんですよね。
(そこまで言って委員会「辛坊たまらん」(読売テレビ)での発言より)
◎2012年11月12日 有田芳生氏(国会議員・ジャーナリスト)と、扶桑社による対談